Highway of Night (Act.6)

 一方、卒業会場の体育館ではクソゴリラとアツコを含む卒業生一同が席に座っていた。卒業式なのだから中には涙を流す者もいるだろう。今、クソゴリラは堪え切れずに鼻水まで垂らして豪快に泣いている。周りの席の者はドン引きだ。遠くの席からはアツコとその周りの席の笑い声が聞こえる。

アツコ:ゴリラまぢウケる笑笑笑
               ぎゃははははは笑笑笑
周りの席A:うわー笑笑笑
                     あれわきも笑笑笑
周りの席B:ゴリラ、号泣。笑笑笑

アツコも豪快に笑っていた。

ゲラゲラ笑っているうちに時は流れて気づけば、卒業式は校歌合唱も終え、卒業証書授与が始まっていた。

アツコ:まだ卒業したくなーい。
周りの席A:ねー。
周りの席B:早いねー。

卒業生は出席番号順に徐々に呼ばれていく。そして、ゴリラの名前が呼ばれた。

ゴリラ:ふぁぁぁぁぁあいッ!!

やはり涙は抑え切れず、相変わらずの豪快さのきもいツラで叫んだ。もはや体育館中の卒業生が我慢の限界だった。
校長から卒業証書が渡される。そして、こちらにそのきもいツラを向ける。

「ぷっ、きゃぁぁぁぁぁははははははははは笑笑笑」

耐え切れず卒業生一同は奇声をあげて爆笑する。

アツコ:あーはははははははは笑笑笑
周りのA:まぢきもーー笑笑笑
周りのB:これわひどい笑笑笑

卒業式の重い空気を笑いの舞でブッ飛ばしたゴリラはある意味イイ仕事をした。





あっという間に時は流れ、いま5人は打ち上げで近所のショッピングモール「Nario」のフードコートに他の卒業生と共に溜まっていた。

ケイ:オメェらだけ卒業とかずりーわ。
アツコ:一気飲み見られる方が悪いでしょ。
マイ:はぁ・・・あたしたちさけ留年かぁ。
マモル:クソが。
ゴリラ:まーまー笑
               元気だせよ。
4人:オメェわ黙れ。
ゴリラ:・・・ウィッス。
ケイ:んで明日わ長尾峠でS15とバトル。
アツコ:そのレンってのわ何者?
ケイ:ハヤブサ工業っつってたけどな。
ゴリラ:ハヤブサってあの車のパーツで有名な?
ケイ:そうだよ。
マイ:・・・あいつ、まぢきもい。
アツコ:どーした?
マモル:あートラウマ笑
アツコ:でも明日、間に合う?
ゴリラ:大丈夫だろうな?
ケイ:あーそれわ問題ねーよ。でも、もし間に合わなかったら先行ってて。
マモル:お、おう。
アツコ:うん・・・。
ケイ:ぢゃー呑むか笑

5人は一般人も居る中、堂々と酒を呑み始めた。

ケイ:ストレートわきついな。ウォッカわ。

ウォッカの強いアルコールで舌が痺れた。そして、その香りが口の中を激しく舞う。

マイ:ウォッカわ割らないきゃ、だね♪
マモル:だな。

Narioの中のゲーセンとか服屋とか寄って、Narioが閉店すれば、近くのコンビニへ移動してダチと語って、気付けば0時。ケイは長尾峠のバトルに備え、打ち上げを早抜けする。ひとり丸目インプで帰宅する。酒が効いているから飲酒運転だ。しかし、飲酒運転なんてもはや日常で慣れているため問題ない。帰宅するとガレージにはインプが2台並ぶ。もう1台の方はGDBF、鷹目インプとも言う。こっちは駆動方式を変更してFR化、エンジンは600馬力とパワーがあるため首都高を走る時には使っている。一方の丸目インプの方はそのまんまの4WDで350馬力だ。峠を攻める時はコースによって使い分ける。

ケイ:明日わ高速道路も走るし、こっち使おっと。

鷹目インプの方を向いてひとり呟いた。そして、ガレージのシャッターを閉める。

ーつづくー